【感想】BLAME!

ブラムの劇場版を、映画館で見てきた。

 

blame.jp

 

率直に言って、これまでに見た映画の中で1・2を争うほどの駄作だった。

(もう一方は艦これの劇場版。ただし、艦これは原作もアニメ版も未視聴。)

 

とにかく冗長で、どうでもいい移動シーンや会話が多くテンポが悪い。

電其漁師と霧亥が出合い、シボを発見し、自動工場へ向かう。

これだけの展開に40分(多分それ位だった)も掛けないでほしい。

 

また、電其漁師たちが探していたという「ドロドロ」なるものが、

劇中で登場しなかったもの気に入らない。

漁師たちが命を懸け、視聴者の貴重な時間を割いて探し求めたものが

何だったのか、明かしもしないのか。

 

BGMやセリフ、演出はいわゆる映画っぽい、ありがちな物ばかりで

BLAME!独特な雰囲気を活かせていない。

現代の人類の文明からかけ離れた、途方もなく巨大な都市の残骸や、

登場人物が当たり前のように口にする「何百年」「何万時間」という時間のスケール。

そういった非現実感を、全部ぶち壊していた。

 

セリフの内容もシーンに合っていないように感じた箇所があった。

自動工場の入り口で「ここから先に進んで生きて帰ったやつはいない」という件、

そもそも自動工場前まで来たこと無いんじゃないのか、と。

 

画もよくない。

アニメ調の3DCGとしてよくできているとは思うが、

そもそもBLAME!の画っていわゆる漫画的・アニメ的なものではなかったはずだ。

シドニアの騎士のころには弐瓶勉の絵もだいぶ丸くなったし、

アニメ調のCGで問題なかっただろうが、

BLAME!まで同じ方法で片付けようとするのはハッキリ言ってただの驕りだ。

 

公式サイトのPVを見た時点で、期待はしていなかった。

 

だが、実際に見てみると、予想していたよりもさらに出来が悪かった。

 

良かった点を挙げるとすれば、シボだろうか。

劇中で一番弐瓶作品らしさを感じた。

皮肉っぽい言い回しや、再生後のやたらとデカイ姿、

最後の手だけの姿など、色々な魅力が詰まっていたと思う。

 

サナカンは、ただの敵の女性型ロボットという印象で、残念だった。

シボを攻撃しようとして外すシーンが画的にカッコ良かったのと、

シボの体を容赦なく熔かすところは良かった。

(結局、シボが良かった)